ハンディスポーツチャンバラは、一般でおこなわれているスポーツチャンバラを数々の障害を持たれる方達が、プレーを心から楽しんで頂けるように、障害の種別や障害度に応じた区分されている新たな障害者スポーツです。このスポーツチャンバラとは、規則やルールで不自由なスポーツではなく、自由奔放に神社の境内や野山を駆け回って遊んだ「チャンバラごっこ｣を新しい安全な用具を開発することで安全と公平そして自由を担保し、体育館で行う現代的なチャンバラごっこ『スポーツ』の土俵に引っ張り上げた。用具は「エアーソフト剣」と称する柔らかい剣状のもので、その中身は世界中の人々が共通のスタンスで競技できるようになった。
スポチャンには他にもさまざまなバリエーションが用意されている。例えば１対１で行うものを「対戦」といい、１対３などのように同人数でないものを「乱戦」という。また体育館やグランドで３０対３０、５０対５０など集団で戦うものを「合戦」といい、これはいわば昔のイクサごっこのことである。また車椅子や障害者も参加している。
力の差や体躯の差のある場合（子供対大人など）は得物（武器の事を得物といっている）の長さを変えて対戦する。例えば、小太刀（60cm）対長剣(100cm)などとハンディをつければ、その差が克服できるのである。世界チャンピオンを相手にしても長剣を持った子供３〜４人でかかれば、子供達の方が勝つこともある。
また引っ込み思案の子供や、いじめられっ子も合戦や乱戦の仲間に入って体育館や運動場、野山を力一杯駆けめぐれば、日頃のストレスや運動不足も一挙に解消することができるであろう。
言葉の通じない外国の人達ともこの一本のエアーソフト剣で友達になることができるし、頭に紙風船をつけての風船割りゲームなどと友達、先生、親子の連帯感を深める上で大いに役立っている。
また、障害者大会も各地で盛んに実施されているが、それはリハビリとして、また健常者とのコミュニケーションとして役立っている。その指導者や、習技者それぞれの価値観でスポチャンをおおいに活用しあまり老若男女の体力差や年齢差を気にせずきわめてリラックスした雰囲をつくり自然の中で楽しむことが出来るよう推進している。
スポチャンは“世界の老若男女が安全かつ公平にプレーできる”健康スポーツとして、名実ともに確立されたといっても過言ではないと思っている。
ハンディスポーツチャンバラはこの特性を活かしながら安全で誰もが親しんで行える競技です。
車椅子利用者の場合は、車椅子の前部両側の片側に小旗を装着し、その小旗をエアーソフト剣をもちいて倒しあって勝者を決めます。また目の不自由な方達には、小旗の下部に鈴を装備して対戦相手のいる場所がわかりやすくなっています。
競技時間はすべての障害度を問わずに３分で一本決めれば勝者となります。ただし決着がつかない場合は２分の延長戦も設けられています。個人戦やリーグ戦、勝ち抜きトーナメント戦も設けられています。近い将来的には合戦と呼ばれている３０人くらいの団体でおこなう団体戦も考えています。
このように誰もが簡単に覚えやすく親しんでおこなえる競技が、ハンディスポーツチャンバラです。ハンディスポーツチャンバラの目的は、この競技の持つ安全性とリラクゼーション的な楽しさと、古代日本の武道文化の伝統あるチャンバラの持つ深さと、近代スポーツの新たな良さをあわせ持ちながら、数々の障害者の方達の社会参加と、各個人個人の健全な体作り、活気と勇気にあふれた精神面のサポートとコミニュケーション作りを目的としています。
ハンディスポーツチャンバラ
ジョージ・土井
